ロード デスティニー・オブ・TTライダー
閉鎖された公道を時速320kmで駆け抜ける。ロードレースはすべて公道から始まった。
1949年に初めて開催された世界選手権ロードレース。その一戦として舞台に名を連ねたのがマン島TTレースであり、アルスターグランプリであった。その驚愕の公道レースは、挑む者に高い能力と並外れた勇気を求め、ファンは熱狂した。それはまさに、最強の男たちの饗宴だった。
アイルランド、そしてマン島で歴史は受け継がれていき、ライダーたちの血脈が途切れることはなかった。マン島TTの伝説を創ったライダー、ジョイ・ダンロップ。兄、ジョイに憧れてライダーになり、再起不能と言われた事故による負傷から蘇ったヒーロー、ロバート・ダンロップ。そしてロバートの2人の息子、ウイリアムとマイケル。北アイルランドで生まれ育った2世代にわたる2組の兄弟は、愛すべきロードレースにすべてを捧げ、宿命の道を突き進む。