チョコレートドーナツ

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【STORY】
1979年、カリフォルニア。シンガーを夢見ながらもショーダンサーで日銭を稼ぐルディ。正義を信じ、世界を変えるため弁護士になったポール。母の愛情を受けずに育ったダウン症の少年・マルコ。世界の片隅で3人は出会い、ルディとポールは愛し合い、マルコとともに幸せな家庭を築き始める。しかし、二人はゲイであるがゆえに法と好奇の目にさらされ、マルコを奪われてしまう…。 例え血の繋がりはなくても、法が許さなくても、彼らはただ愛する人を守るために奮闘する。深い愛情で結ばれた3人を描く、実話をもとにした奇跡の感動作。



【COMMENT】
まずは映画タイトル。原題は「Any Day Now」。そうなんです、ボブ・ディランの名曲「I Shall be Released」のサビからとったタイトルなんです。
歌詞のサビはこうなっています。「Any Day Now Any Day Now I Shall be Released. 今すぐにでも、今すぐにでも、私は解放されるだろう」
ゲイカップルと母親にネグレクトされているダウン症の少年のが受けている世の中の偏見と差別がテーマなので、「Any Day Now」の引用がわかれば、テーマとも合致してとても分かりやすいタイトルです。
が、しかし、このタイトルが「あ、ボブ・ディラン作曲・作詞で、ザ・バンドが先にリリースした曲ね」って、関連付けられる日本人はそう多くありません。一方、邦題の「チョコレート・ドーナッツ」はマルコの大好物です。マルコがほんとうにうれしそうに食べるシーンがあって、その笑顔がとても印象的です。なにげない、でも幸せにあふれている家族団らんの一場面から生まれたタイトル、秀逸です。

そして、最後にルディ(アラン・カミング)が偏見と差別のある世間に対して、うっぷんを晴らすように「I Shall be Released」を熱唱します。
Any Day Now Any Day Now We Shall be Released. 「いつかきっと、いつかきっと、私たちは(偏見や差別から)解放されるだろう」 ほぼ40年前のアメリカの話ですが、40年たった今、世の中はどれだけかわったのでしょうか。

「I Shall be Released」、ザ・バンドのリチャード・マニュエルが祈るように歌うバージョンが秀逸です。ザ・バンドを詳しく知りたい方は、
◇『ザ・バンド かつて僕らは兄弟だった

こちらはテニス界の男女の賞金格差からの男女対決のエキシビジョンマッチ、こちらも実話です。 アラン・カミングも出演しています。
◇『バトル・オブ・ザ・セクシーズ

1973年スウェーデンで実際に起こった銀行強盗。 劇中にボブ・ディランの曲が4曲流れます。
◇『ストックホルム・ケース

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