ダーク･ウォーター

離婚調停中のダリルと夫カイルは、娘セシリアの親権を争っている。そのため、ダリアは一刻も早く、娘の養育に適したアパートや仕事をみつけなければならない。マンハッタンのアパートは家賃が高すぎて、シングルマザーのダリアには手が届かない。そこで、ダリアとセシリアの親子は、ルーズベルト島に向かう。不動産業者のマレーに連れられて行ったのは、古びたアパートだった。セシリアは「気味が悪い」とダリアに訴える。エレベーターに乗り込むと、何故か床に水がたまっている。案内されたのは、９階にある一室。暗くて湿っぽい部屋の窓から見えるものは、古びた集合住宅の陰鬱な風景だけ。結局、前金を払って、引越しを決めた。荷解きも片付いて、ほっとしたその時、ダリアは天井に黒い染みがあることに気づく。空き部屋だという上の部屋からは、何やら物音も聞こえてくる。日が経つにつれ、天井の染みからは、黒い水が滴り落ちるようになる。管理人のヴィックやマレーにたびたび修理を依頼するが、いっこうに改善されない。しだいに悪夢に襲われるようになったダリアの周りでは、不気味なことが次々と起こり始める。そして小学校の教師からは、「セシリアが想像上の友達と喋っている」と聞かされる。数日後、セシリアが病院に運ばれた。ダリアは慌てふためいて学校に駆けつける。彼らはまだ、迫り来る恐怖の正体に気づいてはいなかった。