情炎の美姫
英国の名門の息子チャールズ・グレヴィルは新しく来た女のエマ・ハートの水々しい美しさに心を惹かれ恋を語るようになって、彼女を立派な貴婦人に仕立てようと務めた。そして本当の貴婦人にする為という名目で彼の伯父ウィリアム・ハミルトン卿のお供をしてイタリアのナポリ王国へ遣した。が、チャールズはエマを遠国へやって置いて金満家の娘と結婚するのが目的だったのである。エマはナポリ駐在の英国大使ハミルトン卿の身内としてナポリ宮廷に出入しやがて王妃と親友を結ぶようになった。その内にチャールズの結婚の噂が聞こえエマは初めて男心の頼りなさを泌み泌みと悟り、いっそ昔通りの貧しい生活に戻ろうと考えたが、ハミルトン卿に結婚を申し込まれて遂にその妻となった。ハミルトン夫人という称号を得てからのエマの生涯は一層華やかなものとなった。
1929年の米アカデミー賞でフランク・ロイドが監督賞を受賞。